風景と一体化したブラジルの住宅「AD House」

自然と調和するデザインで注目を集めるフラビオ・メロ・フランコの作品

ブラジル、テレジナに建つ「AD House」は、自然との一体感を追求した家族住宅である。フラビオ・メロ・フランコによる設計は、地元の風景を最大限に活かし、軽やかな素材と透明感のあるデザインで周囲の自然と調和している。

この住宅は、495平方メートルの建築面積を持つ。テレジナは非常に暑い地域であり、この家は緑豊かなスペースを取り入れることで住人を暑さから守っている。一階にはキッチン、ガレージ、リビングルーム、ダイニングルーム、パティオなどがあり、二階には寝室が配置されている。屋上はコミュニティスペースとして設けられ、住人が集まってリラックスできる。

壁はセラミックブリックを使用し、構造はコンクリートで、屋根は熱音響アルミニウムタイルで作られている。また、ブリーゼ・ソレイユ(日射遮蔽装置)は、木材を焼くことで長期間保存するという日本の技法「焼杉」を用いて作られている。

この家は33m x 33m x 38m x 13mの敷地に位置し、814平方メートルの敷地に495平方メートルの建築面積を持つ。キーワードとしては、「住宅」、「家」、「ブラジル」、「住宅建築」、「デザイン」などが挙げられる。

フラビオ・フランコと志津野永男の二人が設計チームを組んでこのプロジェクトを進めた。家は風景に溶け込むように設計され、そのために多くの緑とガラスがファサードに使用されている。

設計は2018年に始まり、2021年にブラジルのテレジナで建設が行われた。全体の設計はフラビオ・フランコが手がけ、設計プロセスは約1ヶ月を要した。彼の目指したのは、豊かな緑空間を取り入れ、地上階に浮かぶプールを持つ家だった。完成した結果は、風景に溶け込み、非常に軽やかな印象の家となった。

家の構造は最も複雑な部分で、二階にあるプールが地上階から見えるようにするため、全体がコンクリートの柱で建てられている。また、長期間木材を保存するために焼杉が選択された。

このプロジェクトを特徴づけるのは、コンテンポラリーな要素である。コンクリートとグレートーンが色彩パレットを構成し、天然の石や木材が使用されている。日本の古い技法を用いた焼杉のスラットは、西と南のファサードに配置され、午後の強烈な日差しからリビングルームとダイニングルームを保護している。家の中にはスモークフィルムが貼られた窓があり、二階建ての部屋の光の強度を減らしている。照明もこのプロジェクトの重要なポイントで、夜になると家は美しい光と影のコンポジションに変わる。

このデザインは、2022年のA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞でアイアン賞を受賞した。アイアンA'デザイン賞は、専門的で産業的な要件を満たすように設計され、実践的で革新的な創造物に授与される。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、達成感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: FLÁVIO MELO FRANCO
画像クレジット: Image #1: Aurus' House by Vinícius Figueirôa Image #2: Aurus' House by Vinícius Figueirôa Image #3: Aurus' House by Vinícius Figueirôa Image #4: Aurus' House by Vinícius Figueirôa Image #5: Aurus' House by Vinícius Figueirôa
プロジェクトチームのメンバー: Flavio Franco Shiduo Nagano
プロジェクト名: AD House
プロジェクトのクライアント: FLÁVIO MELO FRANCO


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